採用動画のメリット・デメリットをプロが解説|採用動画の効果を高めるコツとは?
「採用動画って本当に効果があるの?」
「採用動画にはどんなメリットがあるのか知りたい」
と感じていませんか?
採用動画には以下3つのメリットがあります。
①企業の認知度拡大につながる
②求職者の志望度を高められる
③ミスマッチ防止につながる
これらのメリットからわかるように、採用動画は企業の人材採用に有効なツールなのです。
ただし、やみくもに採用動画を制作して発信するだけでは、その効果を最大限発揮させることはできません。「採用動画の効果を高めるコツ」を知っておかないと、「せっかく時間や費用をかけて制作したのに効果が得られない!」という事態に陥りかねません。
そこでこの記事では、採用動画のメリットだけでなく「採用動画の効果を高めるコツ」を3つご紹介します。
また本記事の内容は以下のとおりです。
◆採用動画の3つのメリット
◆採用動画の2つのデメリット
◆採用動画の制作の流れ6ステップ
◆採用動画の効果を高める3つのコツ
本記事を読むことで、採用動画のメリット・デメリットを知って自社に取り入れるかどうかを判断できるようになります。さらには、効果のある採用動画の制作に向けて、はじめの一歩を踏み出せます。
ぜひ最後までお読み下さい。
採用動画の3つのメリット
採用動画には以下3つのメリットがあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
SNSによる拡散で企業の認知度拡大につながる
1つめのメリットは「SNSによる拡散で企業の認知度拡大につながる」ことです。
動画は採用サイト、求人サイトと比較してSNSでシェアされやすい性質を持っています。
実際にX社(旧Twitter社)は「動画を載せたツイートは載せていない物に比べて10倍エンゲージメントする傾向にある(※)」と公表しており、動画付きの投稿は「いいね」や「リツイート」されやすいということがわかっています。そのため、X(旧Twitter)やInstagram、Facebookなどで動画を発信すると多くの人に動画を見てもらえるようになり、自社の採用に関する認知度拡大につながるのです。
認知度が拡大すると、これまでよりも多くの人に採用活動を知ってもらえるため、その分応募者も増える可能性があります。
採用活動では、まずは自社の存在を知ってもらい応募のきっかけを作ることが重要です。そのため認知度を拡大できるというのは大きなメリットといえるでしょう。
※出典:https://business.twitter.com/en/blog/creating-video-content-with-your-phone.html
求職者の志望度を高められる
2つめは「求職者の志望度を高められる」ことです。
映像を通して企業のアピールポイントを伝えられるため、テキストや写真で伝えるよりも視聴者が企業の魅力をイメージしやすくなり、求職者の志望度を高めることができます。
たとえば、
- ●活気のある社内の様子
- ●楽しそうに働く社員の姿
を映像で伝えることで、求職者は「楽しく働けそうな会社だ」とイメージがしやすくなり、志望度は高まるでしょう。
実際にレバレジーズ株式会社と株式会社プルークスが合同で行った「就職活動におけるスマートフォンの活用と採用動画視聴に関する調査(2021年度版)」によると、約7割以上の就活生が採用動画視聴で「志望度が上がった」と回答しました。
出典:https://careerticket.jp/news/20210823/1/
つまり採用動画は直接的に求職者の志望度を高める効果があるのです。
このように採用動画は、採用活動において効果の高いツールといえるでしょう。
ミスマッチ防止につながる
3つめは「ミスマッチ防止につながる」ことです。
動画を通して、求職者にリアルな仕事内容、社内の雰囲気をしっかりイメージしてもらうことで、入社後に「イメージと違う」「思っていた仕事内容と違う」といったミスマッチの発生を防ぐことができます。
たとえば、以下の動画を「見た求職者(Aさん)」と「見なかった求職者(Bさん)」では、どちらがミスマッチを防げるでしょうか。
▼採用動画の内容
- ●オフィスの外観、内観
- ●社員同士のコミュニケーションシーン
- ●仕事風景
- ●社員インタビュー
- ●経営者インタビュー
Aさんは上記の採用動画を見ることで、この企業で働くイメージを具体的につかんだ上で、入社するかどうかを決められるでしょう。その一方でBさんは、求人サイトやパンフレットの情報から、この企業で働く自分をイメージし、入社判断することになります。
動画と比較してテキストや写真からは、
●実際に働く社員や経営者の雰囲気
●リアルな仕事風景
などを掴みきれません。
そのためAさんよりもこの企業の情報量が少ない状態で入社判断することになるでしょう。結果、入社後に「思っていた仕事内容と違った」「社内の雰囲気が思っていたのと違い、働きづらい」といったミスマッチが発生する可能性があるのです。
このように採用動画はミスマッチの防止にも大きく貢献してくれます。
せっかくたくさんの時間や費用をかけたのにミスマッチで退職してしまい企業として損をしないように、採用動画の導入はおすすめです。
採用動画の2つのデメリット
ここまで採用動画のメリットをご紹介しましたが、一方で以下のようなデメリットもあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
動画の作り方次第では求職者にマイナスイメージを与えるケースもある
1つめは「動画の作り方次第では求職者にマイナスイメージを与えるケースもある」ことです。
たとえば、職場の活気ある雰囲気を伝えるために、朝礼で元気よく声出しをしているシーンを動画に入れた場合「体育会系できつそう」などといった、想定外の印象を与えてしまう可能性があります。
また和気あいあいとした雰囲気を伝えるために、あえて社員同士の談笑シーンを動画に入れた場合、視聴者によっては「楽しそうだけど、雰囲気が軽そうで嫌だな」といった印象を与えてしまうかもし れません。
こうした事態を避け、自社が持つ魅力や雰囲気を求職者に適切に伝えるためには、
- ●誰が出演するのか
- ●どんなシーンを撮影するのか
- ●どんな演出をするといいのか
などをしっかり定めた上で、動画を制作すると採用動画の効果を発揮できるでしょう。
費用や時間などのコストがかかる
2つめは「費用や時間などのコストがかかる」という点です。
採用動画を動画制作会社に依頼すると、相場で20〜50万円程度の制作費用がかかります。
また自社で制作する場合でも、撮影機材の購入や、人事担当者が撮影や編集に時間を使うなど、費用面だけでなく、時間的なコストも必要になります。
そのため、採用動画の制作に費用や時間をかけられないと考えている場合は採用動画の制作は向いていないといえるでしょう。
採用動画の制作の流れ6ステップ
採用動画の活用を決めた場合、気になるのは「どうやって制作を進めていくか」なのではないでしょうか。
そこで3章では、採用動画の制作の流れを6ステップで解説します。
【ステップ①】ターゲットの決定
ステップ①は「ターゲットの決定」です。
動画を見るターゲットを絞り込むことで、欲しい人材が見たいと思うような採用動画のコンセプトを考えることができます。
たとえば、以下のようにターゲットを決めておくとします。
- ●新卒の応募者
- ●22歳
- ●チャレンジ精神旺盛/仕事に対する熱意がある人/周囲とコミュニケーションを取るのが好きな人/●チームで一つのことに取り組むのが好きな人
- ●Instagramをよく利用する
このターゲットの場合は、
- ●社員が活躍する姿、成長する姿、会社が大切にしている考え方などをストーリー仕立てにし、エモーショナルに伝える
- ●社員同士のコミュニケーションが活発で高めあえる関係性だということをインタビューで語ってもらう
- ●Instagram用に30秒程度の動画を制作する
といったように、動画の方向性を考えやすくなり、ターゲットに対して効果の出やすい動画を制作できるのです。
以下を参考にして、まずはターゲットを絞りましょう。
▼採用動画ターゲットの決めるべき項目
- ●新卒か中途か
- ●年齢
- ●性別
- ●価値観(どんなことを軸に企業選びをしているのか)
- ●利用するSNS
【ステップ②】企画
ステップ②は「企画」です。採用動画の大まかな流れや伝えたい情報を組み立てていきます。
以下を整理し、動画の内容やスケジュールを決めましょう。
▼企画作成時に決めるべきこと
- ●採用動画で伝えたいこと
- ●活用シーン
- ●採用動画の種類を決める
- ●出演するキャストを決める
- ●撮影期間を決める
ちなみに、採用動画には以下のような種類があります。採用動画で伝えたいことや、活用シーンをもとにして、どの種類の動画が適しているのかを決めましょう。
◆社長インタビュー動画
企業のビジョンや求める人材、仕事に対する価値観などを社長自身がインタビュー動画で発信し、求職者へメッセージを伝えます。
◆社員インタビュー
入社後の働き方を求職者にイメージしてもらうため、仕事の内容ややりがいを社員に語ってもらいます。ひとりの社員にインタビューするパターンもあれば、座談会形式で複数の社員が登場するパターンもあります。
◆社内見学動画
各部署のオフィスの様子や、社員が働く様子を撮影して公開します。
◆会社説明動画
会社説明会で話すような「仕事内容」「社風」「入社後のキャリアモデル」「企業が求める人物像」「入社後の待遇」「採用スケジュール」「若手社員の話」などをまとめた動画です。
ちなみに動画制作会社に採用動画の制作を依頼する場合は、制作会社に企画を立案してもらうための打ち合わせを実施し、ヒアリングをしてもらいましょう。
【ステップ③】絵コンテの制作
ステップ③は「絵コンテの制作」です。
絵コンテとは、動画を制作する時に、その流れを「絵・文字」を使って表現したものです。
絵コンテをあらかじめ用意しておくことで、動画制作において認識のずれをなくすことができます。
また実際に動画を撮る際、絵コンテに沿って撮影できるため制作がスムーズに進みます。
絵コンテは以下の書き方を参考にして制作しましょう。
①セリフ・ナレーションを書く
②時間ごとにカット割りを決める
③カット割りに沿って絵を描く
ただし、動画制作会社に依頼する場合は、絵コンテの制作は不要です。ステップ②でヒアリングした内容をもとにして、制作会社が絵コンテを作成してくれます。そのため、このステップでは制作会社から提出された絵コンテに変更したい部分がないかどうか、確認しましょう。
【ステップ④】撮影
ステップ④はいよいよ「撮影」です。絵コンテで決めたシーンの撮影を行います。
撮影期間は、動画の内容によってさまざまです。インタビュー動画や仕事風景、社内見学動画であれば1日程度で撮影が終わります。
「とある社員の1日」といった企画など、ドキュメンタリータッチの動画となると、少なくとも2〜3日は必要。長ければ数週間にわたって撮影することもあります。あらかじめ撮影リストや撮影スケジュールを綿密に決めておき、スムーズに撮影できるように準備しておきましょう。
またいきなり本番に入るのではなく、カメラワークや被写体の動きなどを確認するといった「リハーサル」を行っておくと、スムーズに撮影を進められます。
動画制作会社に撮影を依頼する場合は、撮影当日に取り入れたいシーンがしっかり撮影できているか確認しながら進めましょう。そうすることで、イメージどおりの完成物ができます。
【ステップ⑤】編集
ステップ⑤は「編集」です。
撮影が終わったら、絵コンテに沿って各撮影シーンを切り貼りして編集します。また必要に応じて、テロップやアニメーションの挿入を行います。
編集が完了したら、修正点はないか、追加すべき編集はないかを入念にチェック。動画の公開前に修正をすべて終わらせるようにしましょう。
制作会社に動画編集を依頼する場合は、修正回数に上限が決められているケースがあります。見積もりの段階で、何回まで修正できるのかを確認しておくことをおすすめします。
【ステップ⑥】公開
ステップ⑥は「公開」です。採用動画が完成したら、自社の採用サイトやYouTube、SNSなどで公開・発信しましょう。
採用動画の効果を高める3つのコツ
採用動画を制作するなら、その効果を最大限に発揮させたいものです。そこで5章では、採用動画の効果を最大限に高めるためのコツを3つご紹介します。
採用動画を公開するのに適した媒体を選ぶ
1つめは「採用動画を公開するのに適した媒体を選ぶ」ことです。
採用動画は、求職者に見てもらえなければ、その効果を発揮しません。そのため、ターゲットとなる求職者が集まりやすい場所やプラットフォームなどを考えて、採用動画を公開するようにしましょう。
以下のような媒体や場所で採用動画を公開すると、求職者に見てもらいやすくなります。
- ●会社説明会
- ●採用サイト
- ●自社コーポレートサイト
- ●YouTube
- ●SNS
レバレジーズ株式会社と株式会社プルークスが合同で行った「就職活動におけるスマートフォンの活用と採用動画視聴に関する調査(2021年度版)」によると、学生のおよそ6割がYouTubeで採用動画を視聴したと回答。またコーポレートサイトや会社説明会での視聴も割合が高くなっています。
出典:https://careerticket.jp/news/20210823/1/
つまり採用動画を制作したら、会社説明会、コーポレートサイトや採用サイトはもちろんのこと、企業の公式YouTubeチャンネルで公開するとその効果が得られるということになります。また同調査によると、求職者がよく利用するSNSは「LINE」「Twitter」「YouTube」となっており、これらの媒体でアカウントを作り、動画を投稿すると多くの求職者に見てもらいやすくなるでしょう。
ちなみに動画を掲載する媒体によって、その適切な動画の尺は変わります。
アメリカ マサチューセッツ州ケンブリッジに本社を置くHubSpot社の「How Long Should Your Videos Be? Ideal Lengths for Facebook, Instagram, Twitter, and YouTube(Infographic)」によると、YouTubeやSNSにおいて、以下のように理想的な動画の長さを提案しています。
◆Instagram:30秒
◆Twitter:45秒
◆Facebook:60秒
◆YouTube:120秒
こうしたことから、動画制作前にどの媒体で動画を公開するのかを定めておくと良いでしょう。各媒体に適切な尺の動画を投稿できます。
企業のリアルな雰囲気を伝える
2つめは「企業のリアルな雰囲気を伝える」ことです。
リアルな情報を提供することで、求職者が入社後の働く姿を鮮明にイメージでき、応募意欲を高めてもらうことができます。
たとえば、社員インタビューで「仕事のやりがい」「働きやすいポイント」を語ってもらうだけでなく、苦労した経験と、その課題をどうやって乗り越えたのかについて語ってもらった場合を想像してみましょう。
◆やりがい
お客様に「あなたに頼んでよかった」と言われること
◆働きやすいポイント
同僚や上司との関係が良いところ
◆苦労した経験
大きなミスをして顧客に迷惑をかけてしまったこと、それによって自信をなくしてしまった
◆苦労を乗り越えられたきっかけ
上司に「そうやって悩むことが、お客さまのことを真剣に考えているということだ。頑張っている姿をみんな知っているから、自信持ってやりなさい。」と声をかけてもらい、できることを精一杯取り組もうと思えた
このように、ネガティブな情報も含めて伝えることでリアリティのある動画になります。また、一見ネガティブに思えるような「苦労話」であっても、「苦労を乗り越えたきっかけ」まで伝えることで「この会社ならつらい経験があっても乗り越えられそう、成長できそう」といったイメージを持ってもらうことができ、結果的に応募意欲を高められるのです。
企業の良い面だけでなく、苦労話や企業の課題を伝え、それらを乗り越えるために行ったことなどもあわせて伝えることで、より採用動画の効果を高めることができるでしょう。
企業独自の魅力を取り入れる
3つめは「企業独自の魅力を取り入れる」ことです。
多くの企業が採用動画を活用するようになり、「社員同士の仲が良い」「風通しの良い風土」といった「よくある企業の魅力」は多くの企業で発信されるようになっています。そのため、ありきたりなアピールでは、もはや求職者に響かなくなってきているのです。
そこで企業独自のアピールポイントを動画で発信することで、他社と差別化でき、採用動画の効果を発揮できます。
企業独自の魅力を発信するコツは「具体的なエピソードを伝える」こと。
たとえば福利厚生について、文章で説明すると、どうしてもありがちなアピールポイントになってしまいがちですが、「福利厚生を使った社員がその恩恵について熱弁する」「福利厚生を取り入れた背景にある、経営者の想い」などを伝えることで、その企業らしさが出て、他社と差別化できます。
採用動画の制作はプロに依頼しよう
採用動画は「自社で制作する方法」と、「動画制作会社に依頼する方法」の2つがあります。もし採用動画の効果を最大限に高めたいと考えている場合は、プロ(動画制作会社)に依頼することをおすすめします。
プロに依頼すると、
- ●どんな採用動画を制作すると効果が出やすいのか熟知している。
- ●機材を豊富に揃え、撮影・編集技術力があるため、高いクオリティの動画制作が可能。そして求職者の目を引くことができ、企業のイメージアップにつながる。
- ●他社と差別化できるような動画の企画を提案してもらえる。
といったメリットを得られます。
ジーオーディ・ジャパンでは、高品質な映像技術とクリエイティブな演出で、応募者に印象的な動画を制作します。オリジナリティの高い企画や、シナリオライターによるストーリー仕立ての動画、ドローン撮影によるダイナミックな映像撮影など、さまざまなご提案が可能です。
ぜひ一度、採用動画制作についてジーオーディ・ジャパンにご相談ください。
まとめ
この記事では、採用動画のメリット・デメリット、採用動画制作の流れ、動画の効果を高めるためのコツをご紹介しました。
改めて本記事の内容をおさらいしましょう。
◆採用動画の3つのメリット
①SNSによる拡散で企業の認知度拡大につながる
②求職者の志望度を高められる
③ミスマッチ防止につながる
◆採用動画の2つのデメリット
①動画の作り方次第では求職者にマイナスイメージを与えるケースもある
②費用や時間などのコストがかかる
◆採用動画の制作の流れ6ステップ
【ステップ①】ターゲットの決定
【ステップ②】企画作成
【ステップ③】絵コンテの制作
【ステップ④】撮影
【ステップ⑤】編集
【ステップ⑥】公開
◆採用動画の効果を高める3つのコツ
①採用動画を公開するのに適した媒体を選ぶ
②企業のリアルな雰囲気を伝える
③企業独自の魅力を取り入れる
採用活動に動画を効果的に活用しましょう。